発達障害関係ないけど発達障害の人に役立つ本
わたしはストレスがあるときに何かに触ると落ち着くんですよ。
梱包材のぷちぷちをおもっきりぞうきん絞りしたり。あと、服の素材が過剰にチクチクして疲れちゃう人もいますよね。
さらさらした素材に着替えるとさっきまでのストレスなんだったんだってことありませんか?
それ、触覚が人の心や思考を左右するからなんですって。
本書には海外が行った触覚によって感情表現の変わり方の実験例と、著者がやってきたプロジェクトが多数載っています。
たとえば
- ホットコーヒーを出された人はアイスコーヒーを出されたときより、相手を「良い人」と感じる
- 交渉するときに相手を硬いイスよりやわらかいソファに座らせると、要求をすんなり通せる。態度を軟化させるらしい
実験から触覚とは意志決定や心のあり方に影響していると訴えています。
気持ちや判断を変えるだけでなく、物事を深く理解するためにも「さわる」を意識すると生活の質があがるよって話。
私たちは視覚と言語に頼りすぎている
スマホをいじってると体だるくなりませんか?
しかも動かしているのはせいぜい目と指だし。それ以外の体の部位を忘れてしまうくらい意識がありません。
飲み会行く時間がもったいないとか言ってスカイプ飲みをやる人もいるでしょう。
でも会った感じってしますか?物足りないですよね。
そんな違和感を持っている人に著者は「頭と体がちぐはぐな状態」と問題定義しています。
これまで人と会って話すことには皮膚感覚がかならず伴っていました。
しかし、SNS上でのつながりは、身体性を欠いたリアルタイムの交際を可能にしています。
言葉だけのやりとりがされて、相手の身体を見ることはない。(略)
頭は「つながっている」というメッセージを受け取っているのに、身体は何かが足りないことを皮膚感覚で感じている。
インターネットの発展により、適応している人もいるでしょう。
一方で、消して少なくない数の人が適応しきれず、このような「心身分離」の状況に困惑しているのも事実です。P14
本当はもしかしてネット動画を通じたコミュニケーションに慣れていない人が多いじゃないんでしょうか?
対面だと相手の息づかいやパッションなど感情表現が直に伝わって長く覚えていられる。
感覚過敏でもハグによる触覚刺激を求めている
発達障害の特性のひとつに感覚に敏感・鈍感があります。
他人からは触られたくないけど感覚刺激を求めている人もいるそうです。
高機能自閉症の女性は農場で使われている牛の締め付け装置によって、荒々しい目つきの牛が落ち着きを取り戻したのを見てアイデアが下りてきました。
なんと女性は「自分を締め付ける装置」をつくって自分自身を抱きしめたそうです。
自分のコントロールのもと安心して全身に圧をかけられることで抱きしめたあとに鎮静と安心感が広がって「私の触覚防衛を破り、愛や思いやりを感じさせた」と語っています。
わたしもお恥ずかしい話、疲れたときに「いっぱい頑張ってえらーい」と言って頭をぺんぺんすると落ち着きます。似てますね。
感覚に過敏な人は予期せぬタイミングでストレスが来るからイライラするんですよね。
だから人と会う前後で自分がコントロールできる環境で心身を癒やす方法を模索してもいいかもしれません。
気にいらない触感は全部捨てるべし
と、いうことで感覚に過敏な人は好きな触感のものだけ取っといてあとは捨てちゃいましょう。
ちなみにわたしの理想は部屋を好きなものだけで集めたホテルです。
食欲が湧く色、よく眠れる寝具を探しています。さらに選び方に「触感の視点」も加えて寝具や食器を買ってます。
この方法は敏感すぎて困ってる人にオススメですよ!
なぜなら予期せぬストレスがあっても家に帰れば安心できる場所があるから!
どんなにイライラしてもこれさえあれば大丈夫なものがあるかが大事なんで!
そうして生活を営む中でイライラを溶かしていくと生活習慣が整います。
自分に良いことをたくさんやるのではなく、まずは余分なものを引いてから取り入れたほうがいいですね。